何か悪いことを口にすると、縁起でもないとか、縁起が悪いからやめろ、などと言われたことはないだろうか。
言霊というとオカルトチックではあるものの、それが言霊である。


ウィキペディアによると言霊(ことだま)とは以下のようにある。
言霊(ことだま)とは、日本において言葉に宿ると信じられた霊的な力のこと。言魂とも書く。清音の言霊(ことたま)は、森羅万象がそれによって成り立っているとされる五十音のコトタマの法則のこと。その法則についての学問を言霊学という


と書かれると何か遠い存在のように思えるが、縁起が良いとか悪いとかで言われると非常に身近にあるものである。


以前私は、安全神話はできたのではなく作ったのだと書いた。
http://yukyu.seesaa.net/article/284708302.html
しかし、そんな根拠も何もない与太話がなぜこうもあっさり受け入れられたのか疑問に持ったことはないだろうか。
その原因が言霊にあると私は考える。


●悪いことを口にすれば悪いことが起こる

言霊は基本的には言ったことが本当になるというものだ。
つまり、悪いことを口にすれば悪いことが、良い事を口にすれば良いことが起こる。
有事に備えるということは、悪いことを想定しなくてはならない。
つまりは悪いことを口にしなくてはならない。


アメリカや諸外国の緊急マニュアルが起こることとして想定しているのに対し、日本では起こらないことを想定している。
180℃違うこの気質は、言霊文化にあるのではないだろうか。
日本人はそういう気質であることを自覚しておかないと、第二第三の安全神話が生まれかねない。


●日本人の後出しジャンケン気質とは

コンピューターの2000年問題の時、あなたはどう思っただろう。
何も起きなくて良かった。
それとも、何だ何も起きなかったじゃないか。
大概この2通りになると思うが、どうだろう。


私は、何だ何も起きなかったじゃないか、という声を結構聞いた。
しかし、それは事前に対策をしてあったから起きなかったのであって、そうしていなければ深刻な問題が起きていた可能性があるのだ。
後から文句を言う筋合いは無い。


南海トラフが発生源の地震で巨大津波が押し寄せる可能性が出てきた。
皆それを信じるのは東日本大震災を知っているからである。
南海トラフを震源とした地震は近々起こるだろう。
その時津波が想定していたほどの津波が押し寄せなかったとしても、それは単に運が良かっただけである。
津波なんて来なかったじゃないかと絶対に文句を言ってはいけない。


言霊文化と後出しじゃんけん資質。
この二つがあったらかこそ、安全神話なんてものが生まれて大きく成長してしまったのかもしれない。
そうでなければ、芽の段階で摘まれていたのではないだろうか。



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