27日、福島第一原発の2号機原子炉格納容器内の放射線量を図ったところ、73シーベルトであったという。
これはこの中に人間が入った場合、6分ほどで死に至るほど強烈な放射線量だということだ。
http://jp.wsj.com/Japan/node_415550


面白かったのは、メディアによって73シーベルトと記載してあるものや、73000(約です)ミリシーベルトとしているものがあったことだ。
もちろんどちらも間違いではない。
付ける必要がないのだから、あえてミリなんて単位を付ける必要は無い。
それでも、耳慣れたミリシーベルトで表記した方が、この場合は正しいように思える。
それに、数値が小さいと大したことはないと錯覚してしまう。
この件でちょっと思い出したことがあった。


●毒舌とは

毒舌を調べると、毒舌(どくぜつ)とは、他人に対して辛辣な言葉・悪口や厳しい皮肉のこと。
とある。


しかし、モータージャーナリスト、福野礼一郎さんは例を上げてこんなことを仰っていた。


人が10人くらい集まると隊となる。
規模が大きくなると分隊→小隊→中隊→大隊と呼び名が変わる。


隊が集まると団となる。
旅団→師団とやはり規模によって呼称が変わる。


そして団が集まると軍となる。
いわゆる軍隊だ。
しかし、日本の場合なぜか隊へと戻ってしまう。
自衛隊だ。


また、銀行にお金を入れる事を預金という。
預金したお金を出すことを引き出しという。
実際は、預金は銀行に対してこちらがお金を貸している行為であり、引き出しは預けたお金を返してもらうことに他ならない。
しかし、銀行は絶対にそんなことは言わない。


このように、言葉をもって物事を本質を粉飾する行為こそが本当の毒舌ではないかというのだ。
全くもってその通りである。


●国や東電の会見

そのような目で見ると、原発事故における国や東電の会見は毒舌だらけであった。
冷温停止で無いことを「冷温停止状態」と言ったり、汚染水を「滞留水」と言ったり、老朽化を「高経年化」と言ったり、核燃料が溶け落ちていることを「損傷」と言ったり、明らかに爆発なのを「爆発的事象」と言ったり枚挙にいとまがない。


事の本質から目を背けさせようとしていることは明らかだ。
虚偽とは違うところがなんとも憎たらしい。


今回の73シーベルト(73000ミリシーベルト)においても、もしかしたら数値を少なく誤解させようとする意図があったのではないかと思えなくもない。
そんなことを考えた次第。


どちらか忘れましたが、どちらかに毒舌の話が乗っております。
その他についても福野礼一郎さんの論評は一読の価値アリです。

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