世界的な豪雪地帯である、富山県の五箇山と岐阜県は白川郷。
他に類を見ない合掌造りの集落は世界遺産に登録されている。

他に類を見ないと言いつつも、正直他の茅葺屋根の家と比べてちょっと屋根の角度が急なくらいだろうとしか思っていなかった。
でもそれは違った。


茅葺屋根の家の屋根は4面となっているが、合掌造りは2面である。

茅葺屋根
http://www.kayabuki.co.jp/

合掌造り
http://volex.biz/


合掌造りの家々は皆同じ方向へ向き、屋根には日中日が十分当たるようになっている。
雪を溶かす為の工夫だ。


雪かきは屋根に1mほど積もったら行うという。
そこまで積もると、ジャンボジェット1機分に相当する荷重がかかっているという。
普通の家なら潰れていると思うが、普通の木造住宅がなぜそんなにも強いのだろうか。

合掌造りの家は、住居部分と屋根は別々に作られている。
住居部分は大工さんがしっかりと作るが、屋根は地元の人たち、言わば素人が仕立てたものなのだそうだ。

まず、住居部分を作ったと、骨組みを立て起こすようにして屋根を作る。
その時、骨組みの先の支点となる部分を細く削っておくことで、作業がスムーズいくように工夫されている。
この尖っている部分を駒尻(こまじり)という。
http://kandahouse.web.fc2.com/2F.htm



そして起きた骨組みに茅葺屋根をかぶせていくわけだが、つまり、屋根は完全に固定されてはおらず、住居部分に乗っているだけとなっている。

そんなんで大丈夫かと思うが、それにより上から荷重は横へは逃げずに全て下へ向かうようになっている。
固定してしまうと横へ逃げてしまうそうだ。
木は上から力には強いが、横方向には弱い。

このような構造は言わば苦肉の策だということだが(屋根の骨組みを引き起こすための)、長年の経験から知っていたのではないかと思っている。


この冬は各地で記録的な豪雪となっている。
昔よりも雪に弱くてすぐにぶっ壊れてしまう家に住んでいるというのは一種の皮肉だろうか・・・。


富山県の五箇山へは一度行ったことがある。
駒尻とかを知っていれば是が非でも撮ったのに、惜しいことをした。
http://takanobu.me/?p=136

今度はぜひ雪の白川郷へ行ってみたい。



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