先日、アウトプットしないとインプットもうまくいかなくなる、てなことを書いた。
http://hyouge.doorblog.jp/archives/51542540.html

そして、積ん読になっている「思考の整理学」にもそんなようなことが書かれているのだろうな、なんて当たりを付けていた。


「思考の整理学」は、お茶の水女子大学名誉教授である外山滋比古教授の書かれた、自ら思考することの指南書といっていい。
初版は1986年となっており、今から30年も前に書かれた本が今でも通用するのだから、人間の考えること(考え方)なんて基本的には何も変わらないのだろう。
自ら考えるとはどういうことなのか、ふと浮かんだ考えを熟成させ、形を得るまでにもっていく方法などが書かれている。
では、私が期待していた、アウトプットについては何と書いてあっただろうか。


●アウトプットは忘れること

本文で一番重きを置いているのが、タイトルにもなっている、思考=頭の中をいかに整理するかである。
整理を付けるときにはいらないものを捨てるのが一番だが、なんでもかんでも捨てればいいというものではない。
要るものまで捨ててしまっては後で困ることになるからだ。
いらないものを捨て、頭の中の整理を付けることでまた新たな思考ができるようになってくる。


そして、書くことはこのグチャグチャに絡まった思考に整理を付けることと説く。
3次元的に絡まったものから一本を取り出して行く行為が書くことであり、その段階で自分の考えに整理がついていく。
その過程は、繭から糸を紡いでいく工程にとても似ている。
そして、一つのまとまったものに仕上げる工程はまるで絹織物を織っていく行為が如しである。
そうやって物にしたらさっさと忘れてしまえとしている。


私の場合はそれがブログに書く行為なのであり、そうやって初めて安心して忘れることができるのだろう。
もちろん完全に忘れるわけではない。
ふっと、以前の考えが頭をもたげることがある。
それは大概が以前の考えとはちがっており、こうやって書いておけばよかったと後悔するのだけども、それはそれでやっぱりこうだと思う、と改めて書けばいいのだと思う。


私は普段、ふと浮かんだ考えはスマホにメモを残すようにしている。
ふと浮かんだものは、他の作業をしているとすぐに忘れてしまう。
この後で、が危険だと文中でも書いている。
それは、実体験からも経験済みであるからこその対処である。


そこから物になるまでの熟成、発酵のさせ方も書いてあるのだが、そうやって考えると、私の場合、ブログに書いてから初めて発酵段階に入れるのではないか。
メモにしただけではきっとダメなのである。
文章にする段階である程度考えをまとめ、発酵に入る前段階なのだろう。
だから、このブログの段階では未完成といってもいい。
前とは違ってたから改めて、がきっと完成形なのだろう。
そんなのに付き合わせちゃってすみませんwww
もちろん方法は人によって違うので、自分に合った方法を見つけてもらえればいいと思う。


それにしても、外山滋比古教授はなかなか大胆でおもしろい。
曰く、人の頭が一番働くのは睡眠から起きた直後とのこと。
起きてから朝食を食べる前までが一番頭が冴え、思考するのに都合がいいとする。
朝食を食べてしまうと消化にエネルギーが取られてしまうので、思考の冴えも鈍ってしまう。
なればどうすればいいか、朝食を抜けばいい、と。
もちろんお腹は空くので、遅い朝食兼昼食を食べ、寝る。
するとあら不思議、朝食前の頭の冴えが一日に二度やってくるという寸法だ。


私はさすがにこのタイムスケジュールは取れないので、起きてからすぐにブログを書く等ちょっと頭を使うようなことをし、ちょっと疲れてきたら、メールチェックなどの流れでできるものを行うようにした。
一番頭が冴えている時をメールチェックなんかに取られてはもったいないからだ。


それからもう一つ、タッチタイプ(ブラインドタッチが差別用語に当たるということで、最近ではこの名称を使う)はできるようになっておいた方がいい。
自分の考えに整理を付けながら書いていく段階で、いちいちタイプに気を取られていてはせっかくの思考も途切れてしまう。
将来パソコを使う機会はまだあるだろうし、覚えておいて損はない。
もちろんスマホのフリッカー入力でも同じようにできればいいと思う。
要はタイプに思考が取られないようにすればいいだけの話だ。
私は古い人間なので、タッチタイプなんてなってしまうのである。


考える為に考える行為はとても贅沢である。
恐らくそれができるのは人間だけだろう。
ならばそれを楽しもうじゃあありませんか。

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